SilverBullet リレー小説


メンバー専用掲示板で好評実施中のリレー小説を転載しております。
このリレー小説は、ギルドに所属しているメンバーが自由な発想で自由に投稿できるものです。
そのためゲーム内の実際のキャラクターや世界感とは全く異なる場合もございます。


リレー小説第1弾
話数 投稿者 題名
第1話 エラノール 初回から泥沼w
恋人のJackFrostUから「もう帰ってこない」という手紙を受けとった内藤大和。
恋人奪還のため彼を追いかけてパゴールへ。
JackFrostUがベルク人のやんくんと同棲していることを掴んだ内藤大和は、二人のアパートメントの向かいの部屋に住み着き、彼らの生活を監視し始める。
そんな時、彼はやんくんの元恋人おちむしゃと出会う。
お互いにふられた者同士の二人は、協力してやんくんとJackFrostUの仲を裂こうと画策。
ところが計画は予測しない方向に進んでいく・・・。
第2話 smallfish 泥ドロから黒グロ
「いただきまーす」
6畳一間の狭いアパートの一室。部屋の真ん中にちょこんと置かれた丸いちゃぶ台の前に正座して朝ごはんを食べる内藤大和。納豆と卵かけご飯をこよなく愛する彼は、朝から白米がないとすこぶる機嫌が悪い。
「たっぷりたべてね」
トントントンとお味噌汁の具のねぎを切るおちむしゃがお約束の裸エプロン姿でやさしく微笑む。
愛する者を監視するのための奇妙な共同生活・・・。
だが、始まってみると、なぜか微妙に心地よい。
「こういうのもわるくないな・・・」
暴力と愛欲にまみれた悲しい過去をまるで忘れてしまいたいかのように、しずかに内藤はつぶやいた。
だが、その平穏な瞬間も長くは続かなかった・・・。

ドッグワーン!!!!!!!!

すさまじい轟音と共に突然「玄関」のドアが吹き飛び、台所が炎に包まれる!
「おっちぃ!」
すさまじい黒煙が立ち上る中、おちむしゃがいた場所に必死に目を凝らす。
「ルシーア!お前なのか・・・・!おちむしゃは関係ないはずだ!」
炎の中に立ち尽くす一人の女性に向かって内藤は絶叫した!


爆発に巻き込まれたおちむしゃ。そして炎の中に現れた謎の女性ルシーア。そして、絶叫する内藤。
次回愛欲と憎しみが交錯する彼らにさらなる衝撃の展開が・・・!
第3話 よいこ 黒ドロからコゲコゲ。」
「う・・・・う・・・・」
どうやらまだおちむしゃは息があるようだ。
「よかった。今助けるぞ!」
内藤大和がおちむしゃを助けようとしたそのとき!

シッ!

ルシーアが右手に持つシャムシェール+3が彼の頬をかすめた。
内藤大和の頬からは鮮血がしたたりおちる・・・・
「くそ!そこをどけ!」
「そうどけといわれてどくとオモウ?」
そしてにらみ合う事約1刻・・・・(1時間)
(くそう!はやくしないとおちむしゃの命が!)
「さぁ、どうしたの?」
「くっ・・・・」

「そこまでだ!!!!」
内藤大和が振り向く。そこには右手にGF、左手にパタをもっている女性がいた。
「私はシルバーブレットディール支部、総大将のゴワス嬢!人呼んで鉄拳制裁のゴワス!」

突如現れた鉄拳制裁のゴワス。
呆然とする内藤。そしてルシーアとゴワス嬢の関係は!?
第4話 ルシーア 泥沼より生を受けしモノ達
「……やはり、貴女との決着を避ける事はできないみたいね」
ルシーアがぽつりと呟き、先程内藤の頬を掠めたシャムシェールをかまえる。
「……」
対峙するゴワスは無言でやや半身になり、油断なく構えている。
一瞬即発、そんな二人が向き合っている部屋の中で内藤は負傷したおちむしゃの応急手当をしていた。
「おっちー! しっかりしろ、今助けるからな!」
内藤が手近にあった布で必死に止血をするが、出血は気休め程度にしか弱まらずおちむしゃの顔はどんどん血の気が失せていく。
(くそっ、このままじゃマズイ…… 本格的な治療をしなければ──)
対峙している二人を尻目に内藤は内心呟いた。
その言葉が聞こえたはずもないのだが、その瞬間二人が動いた。

ガッ!
ザクッ! ゴキンッ!

二人が交差し、先程とは逆の位置に立っていた。
ふと見れば、ルシーアは左腕が中程から折れており、ゴワスはパタをはめている右腕の肩口がザックリと斬られていた。
((次で…… 決まる))

謎の女ルシーアと彼女を追ってきたゴワスの対決の行方は?(っていうか関係明かになってないYO!)
負傷したおちむしゃはどうなるのか!
そして、主役(だと思う)の内藤は次回はセリフが増えるのか!(この辺シャレになってないなぁ……)
次回、内藤の慟哭が奇跡を呼ぶのか!
乞うご期待!!
第5話 ラフィア 泥まみれの過去
押しつぶされそうな緊迫感が崩されたのは、あまりにもいきなりだった。
「ピヨ」
内藤が振り向いたそこには、卵かけご飯の好きな内藤のために、おちむしゃが用意した卵…から孵ったばかりの雛がいた。
「チクットシナス」
ナース服を着た雛(?)はどこから取り出したのか巨大な注射器をおちむしゃに突き刺した。
何かがキラキラと輝いて、とたんにおちむしゃの顔に見る見る生気がもどってくる。
「おっちー!!!」
「う…。
 ナース服ならわしの方が似合んじゃ…」
まだ意識が朦朧としているのか、おちむしゃは意味不明なことをつぶやく。しかし、危険な状態を脱したのだけは確かだった。
『ワーイ』
内藤がほっとしたのもつかの間、雛は二人の謎の女にも注射器を突き刺していた。

「ここで二人で争っていても埒があかないわね。」
「そうね、結局のところ私たちの目的は一緒なわけだし」
いきなり協定を結んだ女二人は内藤に向き直ってこういった。
「借金返せ!!」
内藤は恋人のJackFrostUの側で生きることを選んだとき、亡命のために二人から巨額の借金を負ったのだった。
「それなのに俺を捨ててジャックは……」
おちむしゃと暮らした日々のぬくもりが忘れさせていた悔しさと憎しみと、そしてどうしようもなく愚かなまでの愛しさが再び内藤の心を揺さぶった。
そんな内藤の様子などお構いなしに、二人はさらに詰め寄ってくる。
「返せないというのなら……そうね、大事なものがどうなっても知らないけどね♪」
ルシーアが悪魔の微笑を浮かべて行動に移ったとき、内藤の背筋は凍りついた。
第6話 エラノール はれときどきあおかび
ところ変わって、バルディウムの錬金術士ギルド内で今まさに世紀の大発明が生まれようとしていた。
「うしし!コレが出来ればケーキ食べ放題でしっ!」
金魚ちゃんは、最後の材料の青カビを入れたとたん大爆発が起こるっ!

ぼっかぁ〜〜〜〜ん!!

崩れ落ちるギルドから突然現れたのは巨大化した金魚ちゃんだった。

ぐもももも〜〜〜ん!!!

雄叫びを上げて怒りに震える。
「内藤めーっ!違うものを売りつけたな〜〜〜っ!!」
自分の失敗を棚に上げて、秘薬として売りつけた内藤に怒りの矛先を向ける。
どうやらネズミ講に引っ掛かったようだ。
サイエフ平原の木々を薙ぎ倒しパゴールへと向かう巨大化した金魚ちゃん。

どうなる内藤!借金返済の為に手を染めた悪徳商法。
パゴールの街があぶないっ!
さぁ!今こそガディウス科学忍者隊の出番だ!!
第7話 ラフィア いつも心は、はばたく鳥のように
「科学忍者隊」
その単語が出た途端、「カックラキン大放送」並みの早業で、それまでの舞台セットが取り除かれ、ステージが暗くなり、どこかで聞いたイントロが流れた。
チャチャチャチャーチャチャ チャチャチャチャーチャーチャー♪
「誰だ!誰だ!誰だ〜!」
いきなり熱唱し始めたのはさっきまで膝に抱えていたおっち〜の頭を放り出して、マイクを握った内藤だった。
イントロを聞いて黙っていられなかったメンバーが次々と舞台袖から飛び出してくる。
「大鷲のジャック!」
「コンドルの大和!」
「燕のヨイコ!」
「みみずくのおち!」
すでにさっきまでの設定を無視して4人は金魚ちゃんの前に立ちはだかった。

ジャックとの愛は科学忍者隊の前に忘れ去ってしまったのか、内藤!?
誰が「白鳥のジュン」に名乗りをあげるのか!?(16歳でスナックのオーナだ!!)
科学忍者隊と巨大金魚ちゃんの対決の行方は!?
セットと共に舞台裏に運ばれた(らしい)ルシ−アとゴワス、そして内藤の借金はどうなるのか!
緊迫しながら、待て、次号!
第8話 よいこ ほんとにきみはドジだなぁ〜
ここはゴワスとルシーアの共同部屋。そこで2人がなにか話をしているようだ。
「どうするよ・・・・内藤の借金・・・」
「ここはひとつあのお方に頼むか。」
「それ、いいわね。」
ピポパポ・・・・プルルルルル・・・・プルルル・・・ガチャ「はい、こちら鳩のマークの引越しセンターです。」
「あ、すみません主任よんでもらえるかしら?」
「はい、少々お待ちください」
3分後・・・・・
「はい、もしもし〜」
「あ、すみません、ルシーアですが今日の7時に私の家に来てください。ソレジャ!」ガチャ!

そして7時
「ピーンポーン」
「はいはーい」ガチャ
そこにいたのは12頭身の猫とメガネをかけ、TシャツにはNという文字が入った少年達がいた。
「まぁまぁ、中に入って、」
「おじゃましまーす」
中に入ると日本酒やチューハイが山ほど積み立てられていた。
「まぁまぁ、ノメヨ!」ゴワスが強引に推し進める。
「それじゃ1本だけ・・・」
ゴクゴク・・・・

2時間後・・・・
「グーグー・・・・・」
そこには寝ているネコとメガネがいた。
「よし、いまよ!猫のお腹についてる袋取っちゃって!」
ビリッ!
「よしよし、後は用なしダネー。」

この袋を手に入れてなにをするつもりなのかゴワスとルシーア・・・・
ついに次号、決戦の時!
まて、次号!
第9話 おちむしゃ どんでん返しは舞台装置
ポケットを取ったその瞬間!
たらいが天井から!!

ジャジャジャジャジャラジャンジャンジャンジャラランランジャジャジャン
ちゃっちゃ〜ららちゃっちゃ〜

回る舞台・・・もとい共同部屋。
現れたのは、10曲目に突入した4人。もう止まらない・・・
「ばんばらばんばんばん!ばんばらばんばんばん!」
内藤  :「アカレンジャー!」
ジャック:「アオレンジャー!」
よいこ :「キレンジャー!」
おち  :「三波春夫でございます・・・」
・・・
凍りつく空気・・・
耐え切れず叫ぶ内藤。
「色だ!色!。黒一色のカラオケの何が楽しい?!」
相変わらず紅一点キャラは現れないようだ。
白鳥のジュンはどこだっ!
モモレンジャーはどこだっ!!

おちがつぶやく・・・・
「歌えりゃそれでいいじゃん・・・」
ジャックがうめく。
「みるくちゃ〜ん><。。。」
よいこがささやく。
「魚はね、実は・・・w」

息が合ってるようであってない4人だ。
さあ、このまま歌わせ続けるのか?
紅一点は現れるのか?
ラフィの一人デュエットは聞けるのか?
カラオケならいつでも行くぞ(心の叫びw
さぁ、誰かこの後引き継いでみろ!(ヤケクソww
第10話 よいこ
紅一点争奪杯
「紅一点いれないとこれ話がもりあがらないぞ・・・」
「よし、皆で誰かを推薦して決めよう。」

「はいはいはーい!絶対milkちゃん!」
ジャックが真っ先に叫んだ。
「エラちゃんでよくない?注射イイ!」
内藤もそれに続きいった。
おちとよいこは歌うことに必死だ。
「エラちゃんとmilkちゃんどっちがいいかなぁ・・・・」
「絶対milkちゃん!あぁ!もうmilkちゃんLOVE!」
「んじゃとりあえず2人ともよんで見ようぜ」
「OK」
ピポパポ・・・・プルルルル。
「ガチャ・・・はい、エラノールですが。」
「あ、エラちゃん?俺俺、内藤だけどいまからカラオケこれる?」
「いいわよー、んじゃぁ10分ほど待ってねー。」

コッチでも話している
「あ、milkちゃん?おれおれ、ジャッキーだけどいまからカラオケこれる?」
「ごっめーん、今日は用事は言ってるのー。」
「ガーン」
放心状態になるジャック。
さて、これからどうなることやら・・・・・
第11話 smallfish 紅一点って意味違いナス
「そのかわり替わりにお友達が行ってくれるってー」
真っ白に燃え尽きた放心状態のジャックにはそんなmilkちゃんの優しい心遣いもすでに耳に入らない;;。

「ねね、極上の紅一点じゃないと満足できないよ!かわいくないと許しナセン」
そんなジャックを尻目に、鉄腕アトム並みの人間離れした聴力を発揮しジャックの受話器を強引に奪いとる内藤。

「女の私から見てもかわいいわよー。楽しみにしててねー」
「うわーい!」
すでにエラちゃんの事は頭から消えている!!いいのか内藤!いやイイに違いない!!

(舞台は暗転・・・・・・)

期待に胸を膨らませ、時間が過ぎるのを待つ内藤。隣で化石と化したジャックはすでに風化が始まっている。

「すまんな、TP買えなくてモルジブから歩いてきたらちょっと遅れたぜ」
回転舞台の端から現れたのは、いい色にこんがり焼け無精ひげを生やしたレオン・EES。
milkちゃんの知り合いといったら、彼であることは誰の想像にも難くない。
だがなぜモルジブ?しかもなぜ徒歩なのかということについては聞いてはいけない。

「ガーン」(カチンコ
内藤も余りのショックにジャックと並んで仲良く石化。当然マクロナス。

「安心しろ。milkから紅一点預かってきている」
いつも間にか熱唱するおちむしゃの背後に立ったレオンが、取り出したそれは・・・・。

「あ・・・赤いサンタクロース衣装・・・・しかも一点物のミニスカバージョン(男用」
さすがに身の危険を感じたのか、カラオケの合いの手を入れていたよいこも恐る恐るつぶやく。
「・・・紅一点違い・・・・・・ナス」

「ニヤリ」*2
レオンとおちむしゃが不敵に微笑む

どうなる石化した2人!どうなるよいこ!そして本当におちむしゃは・・・・・・;;
まずいこのままだと最悪の結末が・・・・
エラちゃん早く来てー
第12話 MILK、ゴワス王女、ホイミ ヒィ一発書き!!><;)
Jackと内藤が石化し、おちむしゃが手に赤い布と睨み合って人生の選択の如く悩んでいる重たい空気の中、
レオンは無精ヒゲを気にして無言でスタスタと手洗い場へ行った。
--------数時間後。
『バターーーン!!』イキオイ良くドアを蹴破るようにやってきた。
MILK「わぁい♪お邪魔しまぁすっ★」
ホイミ「皆様、ごきげんよう^^」
エラノール「来る途中でMILKちゃん達と会っちゃって、
ついつい長話しちゃった^^;」

紅一点たるエラノールとMILK,ホイミがドカドカと入り込む。
が、3人は一瞬凍り付く。
男達は戦場の後のように燃え尽きて床に倒れこんでいる。何故か手には赤い布を握り締めて、テーブルやソファーには血後が残っている。
ホイミ「まぁ、なにがあったのかしら・・・?」
ホイミの心配をヨソに、
MILK「あっ、イタイタじゃっく〜★ほらほらお土産かってきたよぉー^^」
ぶっきらぼうにJackをガックンガックン揺らす。
一方、エラノールは
「こういう場所こそ 私(ナース)が輝くのよね!!」
と何故か今まで以上にイキイキしている。
そこへヒゲ剃りたてツヤツヤのレオンが水を持って入ってきた。
「ん、来たのか・・・・・・」

レオンの説明だと、レオンがヒゲを剃っている合間に、おちむしゃが あのサンタ服を着てしまい、残りの男達はバーサーカーと化して おちむしゃを襲い、レオンが部屋に戻ってきたころこのような事態になってたという。

ホイム「・・・まぁ」MILK「ふぅん??」エラ「はぁ。」
全然飲み込めていない3人。
男達は(タイミング良く)意識を取り戻す。

結果的には女の子3人、レオン含めて男5人になった。
やんややんやと元通り(?)に楽しく過ごしていた。
そうしてカラオケの時間がせまってきたころ、ふとエラノールが
「そういえば、王女呼んだんだった。」
と何気なくポロリといったが、
時間が止まったかのように全員硬直する。
何故かMILKとホイミが青くなる。JackはMILKの様子がおかしいことに疑問を持つ。
Jack「どうしたの?」
MILK「れ、レオン君と王女ちゃん会わせるとマズイよぉ・・・・・」半泣きで呟く

実は、レオンとゴワス王女はこの中で最悪に仲が悪かった。
それを知るはずもないメンバー達はただただ疑問をよせるだけ。
レオンはうつむいて機嫌悪そうに無言でMILK側を睨んでいる
MILK「うひぃ・・・・・。」

果たして王女は来るのか!?
またもや戦場と化してしまうのか!?
一難さって又一難・・・。
第13話 おちむしゃ 総集編(そう、まるでエヴァのように・・・)
歌いながらおちむしゃは今日の出来事を振り返る・・・
「空、青い空。あれはルシとゴワ。内藤を追っている。
あれは金魚ちゃん・・・・巨大化した・・・・
どうして・・・・
知っている・・・王女とレオンは仲が悪い・・・
・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・」
どうやらエヴァっぷりに限界が来たようだ。
所詮おちむしゃである。メモリ不足なのに、ヘタにネタに走ろうとする。
どこまでも中途半端なおちむしゃであった。
気を取り直して普通に振り返る。
「しっかし、修羅場ダヨなぁ。
コレからどうなるんだろう?
内藤は無事ここから帰れるのか?
金魚に踏まれて死ぬのは嫌だなぁ。
レオンと王女との板ばさみはきつそうだ。
つ〜か、次ナニ歌おう・・・
羽の居ない間に奴の十八番うたっとこ。
奴が居るとあの曲唄えないんだよなぁ・・・」
あらら、またカラオケに頭が行ってるよ、オイ。

所変わって・・・
どこからともなく流れるメロディーが
ルシとゴワの耳をくすぐる・・・
ゴワ:「こ、この歌は・・・」
ルシ:「あ、熱い・・・。」
また、巨大化した金魚にも届いた。
金魚:「うししw」
まるで、ドラマのように、その場に引き寄せられる
事情も成り行きも違う彼女たち・・・
全員:「そうだ!あそこにいかなきゃ!!」

そして目指す。
生い立ちも、
年齢も、
性別も、
素性すらも一切不問。
ただ、その場所に惹かれたものたちが集う場所。
そう、SBへ・・・
第14話 smallfish 世界の中心でハアハアと叫んだけだもの
 ジリジリジリジリ!

 暗黒の闇の中、どこか遠くの方でけたたましく鳴り響く金属音。
「あれ?だれか僕を呼んでいるのかな・・・・・・」
 その闇はまどろみの闇。何度も繰り返す金属音は、次第にその闇の中から僕の心を現実世界にゆっくりと引き戻しはじめる。だが、体はドロのように重く、なかなか動くことはできない。
「僕は、どこに行かなくちゃならないんだろ・・・」
 金属音に混じって頭の中をよぎる、数々のイメージ。空、金魚、エンドレスで流れる歌、SB・・・・・。だが、いずれもまったく結びつかないばらばらな断片でどういう意味かもわからない。

「seasu、早く起きないと遅刻するわよ!」
 エプロンを付けたラフィア母さんの甲高い声が頭の中に響き渡り、体の重みが一瞬で消え、自然とベットから飛び起きる。
「うわ!こんな時間!学校に遅れちゃう」
 ベットサイドの時計はすでに8時過ぎ。ここから学校まで自転車で30分以上かかるのでこのままでは完全に遅刻だ。

 身だしなみの手入れもそこそこに、急いで学生服を羽織ると、テーブルに残った冷めた食パンを無理やり押し込む。
「ふぃってふぃまーふ!」
 ラフィア母さんの呆れ顔を尻目に口をもごもごさせながら叫ぶと、seasuは玄関前の自転車に飛び乗った。

「急げばギリギリ間に合うかな」 
 必死に自転車をこぎながら、腕時計を見やる。始業時間まで@15分。急げばギリギリセーフだ。
 だが腕時計から目を上げたその瞬間・・・・・。

「うわぁあ、危ない!!!」
 ドンガラガッチャン!!
 細い路地から飛び出してきた、自転車を避けようと、派手に道路脇のゴミ箱に突っ込んだseasu。

「ん・・・いてて・・・」
 体中をさすりながら、何とか起き上がる。

「ご・・ごめんなさい・・・。大丈夫ですか?」
 脇から飛び出した自転車の主の女の子は、派手に転んだseasuの顔を心配そうに覗き込む。

「ああ、だいじょう・・・・(うお!かわいい!)」
 seasuは、痛む体をさすりながら答えたが、間近に迫った女の子の顔をまじまじと見ると、一瞬で体の痛みが消し飛んだ。

「本当にごめんなさい!私白河ほたるといいます。まだ転校してきたばかりで、道がわからなくて・・・・」
 謎の夢から覚めたseasuといきなり現れた謎の美少女ほたる。二人の出会いは、必然か偶然か?
真夏のSB学園を舞台に、更なる衝撃の展開が!
第15話 ラフィア 扉を開けて…
少女のはだけたスカートから覗くすらりとした脚から顔を反らす振りをしながらも、しっかり網膜に焼き付けたseasuは心の中でガッツポーズをとっていた。
これで遅刻した分の元はとれたというものだ。
seasuはほたるを助け起こすと、学校までの道案内を申し出た。
怪我で自転車を焦げないほたるを後ろに乗せて、2台の自転車を押して歩く。美少女と二人きりの時間が長引くことを思えば却ってラッキーというものだ。
校舎の真中の時計台が8時50分を指す頃二人は校門にたどり着いた。そのときである。校舎の後ろに広がる青い空が、その時いきなり轟音と共にひしゃげてきたのだ!
「うしし!?」
空を突き破って現れたのは巨大なツインテールの少女(!?)だった。
「!?」
会ったことなどないはずなのに、遠い記憶にそのツインテールが刻み込まれている。seasuはそのまま凍りついて動けなくなった。
空を突き破って現れたそれは、そのまま校舎に倒れこんだのだ。校舎からはワラワラと生徒たちが駆け出してくる。もし遅刻せずに登校していれば、seasuの教室は最上階の3階、巨大少女の直撃を受け、無事ではすまなかったかも知れない。
呆然とするseasuの耳に、なにやら聞き覚えのある曲が流れ込んできた。ロボット大戦ゲームの影響で、最近クラスで流行ってる昔懐かしのアニメソングだ。
佇んでいるseasuの目には次々と異界のものとしか思えない人影が映る。ミニのサンタ服を着た半はげの男、巨大な注射器を持って怪我人を追いまわす少女、RPGの中でしか見たことないような武器を振り回す女達…。
だが、どこかでseasuは懐かしさを感じていた。
「そうだ、僕はほんとは向こう側の人間だったんだ!!いかなくちゃ!」
美少女ほたるを残し空間のひずみに向かって走り出したseasuの耳には彼を歓待する懐かしい言葉が聞こえていた。
「セクシーセアシー!!」

「やぁやぁどうもすみません、こっちの収録の事故でセットが崩れちゃいまして。まさかこちらのスタジオにまでなだれ込んでしまうとは…。お詫びのしようもございません。ああ、ご心配なく、こちらのスタジオはきっちり修理させて頂きますので。こいつらを置いていきますから、なんでも言いつけてやってください」
番組のプロデューサーらしき人物が、ポケットを取り戻した青い猫とメガネの少年を連れてきて、自らはひずみの向こう側へと消えていった。

「これで役者は揃ったわね。」
ほたるは不敵な笑みを浮かべた。まるで何もかもが計算づくであったかのように。
「私の役目は終わったわ。後は私は私のいるべき場所へ…」
そう言ってほたるが姿を消した先は2つとなりのベルクスタジオだったという。

セットが崩れて混沌と化したSB世界の収録(?)は?
異界に単身乗り込んだseasuの運命は?
そしてラフィア母さんに再び出番はあるのか!?
第16話 ガデルβ 母子の絆
所変わってここはseasu家。seasuが学校へ行き静かになった家の中でラフィアはいつものように家事を始める。そのころは丁度seasuが学校に到着するころだったろう。
「ガシャーーン!!」
なにか、台所のほうでガラスが割れるような音がした。洗濯物をしていたラフィアは盗賊が入ってきたかと思い恐怖でその場から動くことができなかった。
それから数十秒。沈黙が続いていた・・・。
おそるおそる台所に近づいていくと誰もいない。
念のため台所の包丁を構えて部屋を見て回るが誰もいない。
そのときはただ気のせいだとばかり思っていた。
台所に戻り包丁をしまい、あらされていないかもう一度だけ確認した。
それを見たのはそのときだった・・・。
なんと息子のseasu専用のグラスがこの世ではありえないような割れ方をしていた。現代の化学でできるとも思えない。ただそのグラスだけがまるで空間のひずみに入り込んでかのような割れ方をしていた。
そう、空間のひずみに・・・。
ラフィアは悟った。何かはわからないが息子に何かが起きていると・・・。
ラフィアは息子を助けるための旅に出るため食料など旅にはかかせないものを家で探していた。
その時、ラフィアは自分を疑った。冷蔵庫が何かを喋ったかのように思えた。冷蔵庫の中を見てみるといつもと何も変わらない様に思えた。
ラフィア:ついでだから食料だしちゃお!
やみくもに食料を取り出すラフィア。なかでも彼女はマヨラーであり、マヨネーズだけは普通の家庭の5倍はあったと噂が・・・(?)
その大好きなマヨネーズを取り出そうとしたその瞬間。またさっきのような不思議な感覚がした。
その感覚の正体を探るべく冷蔵庫の中を見渡した。
そこに目に付いたものにまた自分を疑った。
・・・アマネーズ?!
そのアマネーズと書かれた不思議なマヨネーズを食べてみようとふたを開けた。
すると、まるで雲の中に入ったかのような白い煙に覆われた・・・。
煙が晴れてくる。そこにはなにか人影がたっている。なんと旧友のアマネだった。アマネはなんでもマヨネーズの精霊(?)だったとか。
旧友だったということでラフィアがこれまでのいきさつをアマネに説明すると、
アマネ:私も息子探し手伝うよ。一人じゃいろいろ寂しいしね!
アマネの一言に涙するラフィア。かくして、二人の息子探しのたびは始まる。

変わってここはベルクスタジオ。ラフィアがseasuのことに気づいたこと。さらにマヨネーズの精霊アマネがラフィアの仲間になったことを聞き、
白河ほたる:計画が狂ったか・・・。
      まぁ、これで面白くなってきたというとこか。フハハハハハ。

次回、空間のひずみに入っていったseasuは、息子を探すラフィア、アマネは、そして白河ほたるの正体とはいったい・・・。
第17話 伊都理 閑古鳥
「あーー!暇!!」

 見事に閑古鳥が鳴きまくっている酒場の中で、店主である伊都理が叫んだ。
しかしその叫び声も、店内をうるさいくらいに飛び・鳴きまわっているカッコーたちの喧騒に掻き消されてしまった。

「いくら閑古鳥が鳴くっていったって、本当に閑古鳥(カッコー)が住み着いてるのもウチくらいよねー」

 頬杖をつき、紫煙を吐き出しながら伊都理は呟いた。
ここは酒場「狼亭」。いわゆるルイーダの酒場やギルガメッシュの酒場などを思い浮かべていただけると、
おおよそどんな事をする店か想像がつくと思う。
つまり、この国ではいわゆる魔物と呼ばれるような連中が幅を利かせていて、そいつらをやっつける事で
お銭をいただくという一般に「冒険者」とか呼ばれる連中がごろごろしていた、そんな国であった。

 しかし、数年前にいわゆる「勇者様」が現れて魔物の総大将(一般に大魔王とか呼ばれる人)をやっつけて
しまったのだ。そうするとまぁ、それまでまともに働かず腕っ節だけで生き延びてた連中たちは当然おまんま
食い上げである。もちろんそんなヤクザものたちを相手にしていた酒場も然り。
数年前では、多くの腕っこきが集まる国でもトップクラスの知名度を誇る酒場だった「狼亭」も、今では
このように閑古鳥が住み着く、近所でも「近寄りたくない場所No.1」としてとても有名なスポットに
なってしまったのだ。そしてその店主である伊都理も同様である。

曰く「店主は鳥使いである」
曰く「店主はハゲマニアである。なので鳥を使って旅人の髪の毛をむしらせている」
曰く「店主はミノタウロス使いである。ただし紫のやつ限定」

このような噂が町じゅうに知られるようになっては、いまや「狼亭」に足を踏み入れようとする者など
誰もいなかった。
まぁ、暇にあかせて閑古鳥達に芸を仕込んでいたのは事実なのだが…。


「こんな店さっさとたたんじゃえばいいんだけどねー」

 伊都理はひとりごちる。
 外はもう暗い。
 普通の酒場なら盛大な賑わいを見せている頃だ。

と、そのとき

「カッコー!カッコー!カッコー!!カッコー!!カッコー!!カッコー!!!カッコーーーーーー!!!!」

店の中の閑古鳥が一斉に騒ぎ出した。
こんなことは店に閑古鳥が鳴くのを通り越して住み着いて以来初めてである。

「な、な、な、なんなのよ一体!?」

伊都理が動転してる間にも、閑古鳥たちの騒ぎはどんどん大きくなっていく。
ついに閑古鳥たちは店中を縦横無尽に飛び回り、店の備品を破壊し始めた。
しかし所詮は鳥の力、木で出来たテーブルやイスなどに被害を与えるほどではない。
が!大事な商品であるグラスが、酒瓶が、閑古鳥たちの体当たりによって次々に床に叩きつけられていった!!

「あ、こら!ちょっと!!やめなさいあんたたち!!」
…ドタンバタンガシャンガシャン
「わーー!!!このグラスはあの時の思い出の品……」
…ズシンドシンガチャチャチャン
「あ!あああ!!!虎の子の21年もの白ワインが……」

 ひとしきり店内を荒らすと、閑古鳥たちは申し合わせたかのように窓から、ドアから外へと飛び立っていった。

 店内に戻る静寂。

 店の中には伊都理一人。

 …ではなかった。


 「・・・。なんで、ここに、マヨネーズを持った女が? しかも二人も・・・。」


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